□(資格)から ○(宇宙)へ


20代のころ
広島県の山奥にある仏通寺という禅宗のお寺で座禅をする
機会がありました
座禅を終えてからご住職がお説教をして下さいます
その内容については殆んど忘れてしまっていますが 一つだけ
鮮明に覚えている事があります
それは
「一隅(いちぐう)を照らす者 其(そ)は国家の宝なり」
この言葉を贈ります
若い諸君は是非将来 一隅を照らす人になって下さい
というものでした
似たような言葉をどこかで聞いた覚えがありませんか?
そう
「ろうそくが回りを照らすように」と・・・

その後 20代半ばに
漢方の大家と出会いました
静岡県に在住のその先生は 薬種商として漢方薬店を経営しながら
漢方研究会の重鎮として研究を続ける一方で 大きな病院で
医師とチームを組み 臨床にも携わっておられる方でした
かつては 旧陸軍の諜報員として中国大陸で活躍されたそうで
興味深い話をたくさん伺いました
その先生が 私たち夫婦を自宅に招いてご馳走してくださった時の事です
「私は毎朝自宅の近くを 読経しながら回っている」 と言われます
なぜ そうするかというと近くに屠殺所があり 我々人間が生きるために
犠牲になってくれた彼らの霊を慰めるためと言われます
屠殺場に運ばれる牛、豚はもう車に乗せられた時からその運命が
わかるそうで 彼らの血液は強いストレスのため 酸性になっているそうです
誰かがやらなければならないので 自分がしていると言うのです
若い私は そんな事を考えたこともありませんでしたので
 強いショックを受けました
さらにまた 「高橋君 君は神社、仏閣、あるいは自宅の仏壇にお参りするときに
どうする?」と聞かれます
私は あまり欲深く思われないようにと 精一杯控えめに 「健康で幸福に
なれますように とだけお願いします」と答えると
「それは 欲だよ」 と一言
「自分は ”ありがとうございます” たったこれだけ どこへ行ってもどんな時でも
たったこれだけ 時間も短いし気持ちがとってもすがすがしくなるから やってごらん!」
それ以来 私はその教えをずっと守っています
皆さんも試してみてください とってもいいですよ
”ありがとう” という言葉は 実現が難しいと思われる事象が現実に目の前に
成就してあるという意味
だから感謝なんだよと
なぜ たった一言 「ありがとうございます」 かというと 自分が今生かされているのは
そのために命のある動物や魚、野菜、植物の犠牲があってこそで 生きているのでなく
生かされているんだ そのことにまず感謝しなければならない
犠牲とは身命を捧げ身代わりになって他のために尽くすことをいう
他の犠牲なくして現在の生はない
だから ”ありがとうございます”
そして それ以外のこと  健康でありますようにとか 家内安全、 商売繁盛
etc 
これは すべて欲である 欲にもいろいろあって 食欲、睡眠欲、性欲 これは三大欲求、
基本的欲求ともいいますが 生きるためにすべて必要な欲望で これらの
最大の特徴は 満たされたらそれ以上欲しないこと  
それ以外の欲は どこまでいっても満たされる事がない 物欲しかり 金銭欲しかり権力しかり
ほどほどの欲は良いが 過ぎると貪欲になり 果てしのないむさぼりの世界に入ってしまう
今生かされていることに感謝して ”ありがとうございます”  たったこの一言に
親の恩、師の恩、友の恩、自然界の恩 すべてのものが凝縮している
今があることに感謝をして ”ありがとうございます”
こんなことを教えていただきました
その後 私は あん摩、マッサージ、指圧師免許 と 柔道整復師免許を取得して
30年余りが経過するわけですが
ここで資格と免許について考えてみますと
まず 資格とは身分や地位、立場、またそのために必要とされる条件とあります
次に免許ですが、この意味するところは ある行為に対して原則、全員がその
行為を禁止されていること 何人もそれをしてはならない 但し ある条件を
満たした者が特別にその行為を許されること これが免許です 
これはプライドに繋がることでもあります
つまり 身分や立場、地位が保証されますが厳重な法の規制にしばられます
保障の輪の中にいる限り安泰ではありますが 世の常でいつまでも平穏では
いられません
安泰であったはずの資格は 四角 □ 角張った しがらみ 煩わしさ 制限 規制
といったマイナスのイメージ 、資格の持つもう一つの顔を見せ始めます
それもどんどん膨らんできます
保障の輪の中で生き生きとして活動している人がいることも事実ですが 私は
それが だんだん我慢できなくなり ある時 捨てることを決意しました
”身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ” です
しかし そこから見えてくるものがあります
今まで気が付きもしなかったようなことも
その時の気持ちは今でもはっきりと思い出すことができます
何とすっきりと 何とすがすがしく 何と自由なんだというものです
資格,四角、□、角張った、しがらみ、煩わしさ、制限、規制から開放された瞬間です
しかし 世の中そんなに甘くもなく 収入はかつての三分の一以下
 なんとか暮らしていければいいかという程度のもの
 不満はないけれどこの先ジリ貧になっていくなー という
不安が出てきました また それ以前の不摂生がたたり痛風に悩まされていた時期でもあります
そんな時です HSTIとの出会いは
師の説く ”哲学” に深く感銘し これだ!と思いました ほとんど直感です
”虎穴にいらずんば虎児を得ず”
もういちどリスクを取ったわけです
捨ててこそ そこから得られるものがある それも大きなリターンが
これは今思うと □(資格)から ○(宇宙)へ自分の中でスイッチを切り替えた瞬間で
あったと確信できます
なぜ宇宙が ○ か?
丸というのは まるい形、正しいこと、間違っていないこと、
完全、すべて、そのままのという意があります
20代以来
長いこと自分の気持ちに火をつけてくれる師にめぐり合えていなかったなという思いを
感じた瞬間でもあります
それからというもの だんだん身の回りに良い事が起き始めました
今、自信を持って ”毎日が ハッピーです” と言うことができます
ハッピーなことは 現在も起き続けています
□(資格) には宇宙からのエネルギーが入りにくいんですね
”一隅を照らす人”になったつもりで過ごしてきたけれど 本物でなかったんだ
これからは 謙虚に ”一隅を照らし” ながら 万物に感謝の気持ちを忘れずに
”ありがとうございます”で 生きてゆこうと思います




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たかはし神経・筋整合法研究所
   高橋静男
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