ぎっくり腰 ご老人を介護中に自分がぎっくり腰になってしまったお話。

ぎっくり腰で来所のYさん40代女性のお話。毎日毎日ここシャトル・ケアに勤務しておりますと、様々な職種の方々が来所されますが、今回は高齢の方々の介護にあたられておられるお客様のケースをご紹介致します。お仕事やプライベートで人様のお身体をケアしながら、自分の身体を痛めてしまい、腰痛やぎっくり腰になる方は少なくありません。参考になれば幸いです。
初めての来所の際に、ご本人のお話を聞いていきましたところ、これが初めてのぎっくり腰ではなかったそうです。30代中盤の頃に介護中に最初のぎっくり腰。二度目は38歳の時。そして今回が三度目になるそうです。最初に発症したときに病院の診断でぎっくり腰で椎間板ヘルニアと診断されています。

打撲歴は、
●21歳の頃、雨降りに自動車を低速度で運転中に後進の車に追突され、前方の車にも衝突する玉突き事故を経験。
それ以外は本人は記憶にないそうです。

学生時代にバレーボールをやっていたそうです。

さぁ、この限られた情報をもとにぎっくり腰の症状を改善させるためのプロセスに入っていきます。
身体を前屈して頂くと痛みはありません。後屈させた時と右横に曲げた時にのみ腰椎の左部分に痛みが生じていました。

身体のゆがみを読んでいきますと、側頭骨、腸骨、仙骨、腰椎、肋骨、足首といたるところにゆがみが確認されました。21歳時に玉突き事故により、側頭骨が大きく揺らされた事が原因で、骨盤やいたるところにゆがみを生んだと推測されるので側頭骨の調整から入りたいところなのですが、あまりにも痛みがひどくご本人がうつぶせの状態以外の体勢ではこらえられない状態でしたので、側頭骨に比例してゆがみ易い腸骨のゆがみを取り除いて、痛みを少しやわらげてから側頭骨を調整していくことにしました。

交通事故で側頭骨が揺れてゆがみが生じるという事に関しては以下の動画の1:03以降を参照して頂くとわかりやすいかと思います。

ぎっくり腰の場合、腰椎5番に強烈な痛みが生じることが多くみられますが、Tさんを含め腰や腰椎自体を打撲した事が無いという方は少なくありません。腰は身体の中でも比較的細いところですので、腰より先にお尻や肩が先にぶつかることが多いのです。ですから、お尻、すなわち腸骨や仙骨から形成される骨盤のゆがみがそのすぐ上にある腰椎に影響を与えてしまい腰椎がゆがみ激痛を生むのです。

しかし、Tさんは骨盤を打撲した経験がないとおっしゃっていました。そこで玉突き事故による側頭骨のゆがみや、もしくは衝突の衝撃で骨盤がゆがんでしまったという仮説からこの方針を導いたわけです。


施術はうつ伏せの状態で腸骨と仙骨のゆがみの大きな部分整えていくところから入っていきました。その後に側頭部の施術をしていき初回の施術は終了。施術後、「あぁ、全然違う、来た時より楽になってる」というコメントを頂き私も嬉しくなりました。


先日二回目の来所で様子をお聞きしましたら、「まだ少し違和感が残っていますが、前より全然楽です」とおっしゃいました。


この日は仰向けの状態で仙骨の中でもまだゆがみのある部分と足首の捻挫のあとのようなゆがみを施術。左右の足首の施術を交互におこなっていた時に、Tさんが突然思い出してくれました。

「そういえば、バレーボール中に捻挫をしたことがあります」。学生時代にバレーボールをされていたそうです。

「そうだったんですかぁ、思い出していただいてありがとうございます。足首は身体を支える上で最も地面に近いところですから、ゆがんでいると骨盤や腰に大きな影響を与えてしまうんですよ。だから足首のゆがみを戻すことは大切なんです」と伝えましたら笑っておられました。

このように施術中に思い出して頂く打撲歴を聞き逃さないことはとても大事にしています。この足首のゆがみを大きく残ったままにしておきますと、骨盤や腰椎をいくら調整しても腰痛やぎっくり腰がとれないことがあります。地面と身体が接する部分である足首(根元)が、ゆがんでしまっているわけですから、身体を立った状態にした時点で土台ごと身体全体がまっすぐにならないわけです。当然腰椎や至るところが影響を受けてしまいます。

ですから、足首のねんざを思い出していただいたことはTさんにとって大きなプラスな要素になるわけです。


そして、私が一番施術したかった場所である腰椎5番の施術に入っていきました。終わった後には笑顔でスムーズに立ち上がり、腰をかばうような動きもみられず、「あぁ~、とても楽です。今度は中2で野球をやってる息子も連れてきます。実は一番旦那がHSTiを気に入ってるんです。ホームページでみて四つん這いでハイハイすると身体にいいんだよって言ってましたよ(笑)」と嬉しいコメントを頂きました。

HSTiでは身体の骨のほぼ全てに番号をふってあります。足首は骨の番号でいう5番の流れをもっています。この腰椎5番と足首とはすごく密接な関係がある骨だったんです。身体の兄弟骨と呼ばれる骨たちが、いくつかのパターンの中で共鳴しあいながらゆがみのバランスを収束させていくのです。

 これからもTさんが介護などで人を楽にしていくことのお手伝いができてよかったです。今回も読んで頂きありがとうございました。


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