「あれ?!さっきと全然う!来た時はほとんど右腕が上がらなくてなんとなく情けないような感じだったのに、今はだいぶ上がっていますね。」

手術を勧めていたお医者さんに『肩の調子が思ったよりもいいからこのまま骨折した箇所がつくかもしれないよ。』と言われてびっくりしました! のIさん。先日5回目の施術にいらっしゃいました。現在1日おきにリハビリに通っているそうですが、まだ右腕が前にも横にもほとんど上がりません。

「そりゃぁそうよね。だって右肩がはずれているんだから...。」と娘さん。
前回は骨折された肩周りの骨格を集中して調整していますが、今回骨格の歪みを確認すると股関節や骨盤に大きなずれが出て来ていました。

肩と股関節はとても密接な関係にあり、お互いバランスをとり合うところです。

そしてIさんは4年前にも自転車で転倒。その時には左側に倒れて左の股関節(大転子)を骨折されています。手術をしてワイヤーとプレートスクリューが股関節と大腿骨に入っているそうです。

今回の施術では股関節や大腿骨を集中して調整。ねじれや左右の高さの違い...と言った骨格のゆがみを取り除いていきました。

股関節は骨盤にはめ込まれるように存在していますから、股関節の高さが違うと骨盤の高さにまで影響を及ぼしてしまいます。

股関節の歪みを整えてから再度確認すると、今度は尾てい骨に大きな歪みが出てきました。尾てい骨も股関節と兄弟骨。さらに併せて恥骨の歪みも確認すると尾てい骨と同じように大きく左下がりになっていました。

続けて尾てい骨の調整です。仰向けに寝ていただきブルブルと振動をするブロックを尾てい骨の横にあててじんわりと歪みを取り除いていくと、恥骨の高さも水平に戻っていきました。

そしてもう一カ所、同じ2−6−9ラインの仲間である上あごの骨を調整をして今回の施術は終了。


施術終了後。
「Iさん、最初と変わらないかもしれないけれど、腕あげてみていただけますか。」

「はい。」

Iさんが腕を上げる様子を私と娘さんが心配そうにのぞきこんでいると...

「あれ?!さっきと全然う!来た時はほとんど右腕が上がらなくてなんとなく情けないような感じだったのに、今はだいぶ上がっていますね。」

娘さんが歓声をあげました。ホッと一安心の瞬間です。

「良かったです。今日は肩まわりの骨格は一切触っていないんですけどね。」

「不思議、なんで上がるようになったんですか?」

「はい。肩関節は股関節ととても関係が深い兄弟骨の部分です。前回肩を集中して施術していて、今回も肩は以前よりも安定しています。その肩関節をより安定させる為に、今回は股関節や尾てい骨の調整をしました。」

「へえ〜。」

「肩が痛いからと言って肩だけ施術をしてもダメなんです。こうやって全身のバランスを考えながら調整することで、全身のバランスがよくなり肩関節の納まりも良くなるんです。何よりもさっきより肩が上がるようになりましたね!」

「はい!」

「ただ一つ気になることもあります。Iさんの左股関節と大腿骨はワイヤーとプレートスクリューで固定されてしまっていますから、今は股関節の歪みが小さくなっていますが、もしかしたらまたそのワイヤー等に引っ張られて骨が歪んでいってしまう可能性もあるんです。」

「たしかにそうよね。金属で固定されているんだものね。」

「もし股関節がまた引っ張られて歪んでいくようだとすると、また肩の動きも制限される可能性があります。このまま股関節の歪みが落ち着いてほしいと願っていますが、次回もまた股関節の歪みが出てくるのかどうかを確認して施術をすすめていきましょうね。」

「わかりました。よろしくお願いします。」


一般的な整体だと肩こりなら肩をもむ、腰痛だったら腰のマッサージ...となりがちですが、このように関連してバランスをとり合う兄弟骨の部分の歪みを見逃さずに全身の骨格のバランスを整えていくのがHSTI流です。

お母様の右腕が前にも横にもほとんど上がらない姿をみて「そりゃぁそうよね。だって右肩がはずれているんだから...。」とあきらめた感じだったのに、施術後「あれ?!さっきと全然う!来た時はほとんど右腕が上がらなくてなんとなく情けないような感じだったのに、今はだいぶ上がっていますね。」という喜びの声に変わったこと、私もとても嬉しかったです。



HSTI症例カテゴリ