頭がい骨の調整で、脳梗塞後の歩行時のフラツキが改善

首の痛みがあり脳梗塞を発症後、歩行時のフラツキ、以前に比べ発語がメッキリ少なくなったというAさん。ろれつが回らず、コミュニケーションをとるにも、相手に意志が伝わりにくいため、本人のストレスも膨大なものでした。

家族に付き添われて来店されますが、いつもどことなく不機嫌で、身体の調子を伺っても「わからん!」の一言。

 Aさんの過去には事故歴が多く、追突事故を何度も受けていました。首が痛くなりはじめたのも、この追突事故の後からです。首の痛みの症状からはじまり、身体が変化してきたそうです。 立ち姿勢など肩の高さも左に傾き、前傾姿勢で首に負担がかかっていました。


 頭がい骨を中心に整えながら、肋骨の大きなゆがみを取っていくように調整しました。 始めのうちは、ズボンのベルトを取る動作にも、手先が震え、おぼつかず時間もかかり、思うように手が動かないとイライラしてすぐに諦めてしまうAさんでした。 


「時間かかってもいいから、ゆっくり取っていいですよ。」 

リハビリをかねながら、手先の動きを確認していきました。 調整が進むにつれ、前傾だった姿勢が変化してきました。 

 「前より姿勢がよくなりましたね〜。少しずつ変わってきてますよ。」 

 「わからん!」

 いつもと変わらずの返答ですが、顔はにっこりと笑みがありました。

 家族の方も「前より、調子良さそうです。最近は機嫌も良くて、調整を受けるのが楽しみみたいです。後はこのフラツキが無くなれば、私たちも安心できます。このフラツキはよくなりますか?」

 「Aさんは追突事故を何度も受けているので、頭にゆがみがまだ残っている状態です。今進めている頭がい骨の調整を引き続き継続していくと、フラツキも良くなる と思います。」

 1週間に1回のペースで来店してもらい、頭がい骨、肋骨、仙骨と調整を進めていきました。しばらくしてまた変化が出てきました。ベルトを外すときの手のおぼつきが少なくなっていました。以前は手先の震えで思うように動かずイライラしていたのが、スムーズに指先を動かせるようになっていました。 

 「Aさん、ベルト外すの速くなってますね〜!」

 「分からん!」

いつもの口調ですが、笑顔が見られます。 Aさんの表情もだんだん豊になってきました。調整するにつれて、支えながらの歩行だったのが、支え無しでも歩けるようになり、フラツキがだいぶ減ってきました。


今では発語も増えてきて
「こっち押したら気持ちいい、こっち押して。」
とニコニコしながら調整の注文をしてきます。これからAさんをもっと引き出せたら嬉しいです。

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